いよいよ憧れの だらりの帯 をしめれる日、
舞妓としてデビューする日のことです。
「だいかん」とよばれる置屋さんで代々受け継がれてきた鼈甲の大きな簪をつけさせてもらい、銀色に光る短冊状の簪を、この日ばかりは左右両側につけ、黒紋付に三本の襟足、お店出しの時にしか付けることのない「みおくり」といわれる金銀のはねを髷の後ろに一対つけられます。
そしてそれぞれの花街のお師匠さんをはじめ、お茶屋さんにご挨拶回りがはじまります。男衆さん、ひいてもらうお姉さん、お世話役の方と…
当日に付き添ってもらう方は、花街によって違います。
置屋さんには、所狭しとお祝いの大きな目録といわれる宝船や鯛など縁起物のかかれた紅白の紙が貼られています。その前で、おかあさんの送り出す火打ち石で挨拶回りの出発です。そしてこの日は、ひいてもらうお姉さん芸妓、大きなお姉さん芸妓、お姉さん舞妓さん達と、固めの盃をかわす日でもあるのです。
それは、お姉さんの筋の一員として認めてもらう大切な儀式。
置屋さんの門を叩いた日からの待ちに待った自分の舞妓さん姿…
それは、舞妓としてのはじまりの日でもあるのです。
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