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月刊 京の舞妓さん 1月号 【1】/2013年 - 舞妓倶楽部
年明けて1月15日、松の内までの期間は大忙しの芸舞妓さんたちです。まずは、新年のご挨拶まわり。8月の「八朔」に同じく、日頃からお世話になっているお茶屋さんや料理屋さんなどに、一軒ずつあいさつしてまわられます。宮川町・上七軒などでは5日に行わ...
Updated Date : 2017-09-14 15:48:26
Author ✎ maikoclub
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黒紋付姿の芸舞妓さんが勢ぞろい! 新たな1年の精進を誓う花街の『始業式』  
年明けて1月15日、松の内までの期間は大忙しの芸舞妓さんたちです。まずは、新年のご挨拶まわり。8月の「八朔」に同じく、日頃からお世話になっているお茶屋さんや料理屋さんなどに、一軒ずつあいさつしてまわられます。宮川町・上七軒などでは5日に行われました。 とはいえ、実は、先月の13日には「事始め」がすでに行われています。この日の芸舞妓さんは、一年間お世話になったお礼と、来たる一年に向けてのあいさつを兼ねて、芸事のお師匠さんなどに挨拶してまわられます。 お正月の準備をはじめる日でもあるので、花街の新年はこの日にはじまるといっても差し支えないかと思いますが、暦上の新年が明けた折には、またこのようにご挨拶してまわられるというきめ細やかさ。花街の人々が、いかに“ご縁”を大切にされているかが、うかがえます。
次なる行事は、始業式。というと、「え、1月に始業式!?しかも、舞妓さんや芸妓さんが始業式ってどういうこと?」と不思議に思う方がいるかもしれません。私たちのよく知る“始業式”と同じように、この日は芸舞妓さんたちにとって、これから1年の精進を共に誓う節目の日なのです。 祗園甲部、宮川町、祇園東、先斗町では7日、上七軒では9日に行われた始業式の様子を写真と共にご紹介したいと思います。まず最初は、五花街最大の規模を誇る祗園甲部から…。例年通り、花見小路には溢れんばかりのファンたちが屯(たむろ)し、プロ・アマ問わずカメラマンと相まって数十人の人だかりがそこかしこに。特に「一力亭」の前は、人間交差点ならぬ、人間大渋滞。行事のたびに、警察による交通規制が行われるのは有名な話ですが、やはり群を抜く人気のスポット。何をしているのかというと…はい、そうです。芸舞妓さんの“出待ち”状態なのです。車もおろか、この日も筆者一人が、通り抜けるのもひと苦労でした。 祗園甲部歌舞練場に到着すると、こちらもカメラマンや報道陣でいっぱい。寒空の下、芸舞妓さんが到着されるたびに、スコールのごとく鳴り響くシャッター音。お茶屋の女将さん、技芸のお師匠さんたちを含める約110人が集まり、午後1時ごろ、式は始まりました。
祗園甲部芸妓の杏佳さん、舞妓の紗月さん、芸妓の紗矢佳さん
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きっとテレビでご覧になったことがある方も多くいらっしゃると思います。芸舞妓さんが正装の黒紋付を身に纏い、全員で5ヶ条の「芸妓・舞妓の誓い」を唱和される姿は圧巻です。 「祇園の伝統を誇りとし、心の修養につとめ、技芸の習得に励みましょう」「常に美しく優しく親切にいたしましょう」「常に良き風習をつくり、皆さんから愛せられましょう」―言葉にして発するものごとには、魂が宿るといいますが、この誓いを地で行かれる舞妓さんたちは、やはり素晴らしいというほか、言い様がありません。 学校では期末に成績表が渡されますが、花街の場合、始業式に前年度の成績が発表されます。今年は、舞妓の紗月さんが最高の売花(売り上げ)を達成し、表彰されました。式典では、京舞井上流五世家元・井上八千代さんによる新年を祝う地唄「倭文(やまとぶみ)」が披露され、「おめでとうさんどす」とあいさつが交わされるたび、華やかなムードは倍増。見目麗しきみなさん勢揃いのお姿を前に、寒さも吹っ飛び、胸は高鳴りました。
左から、祇園東芸妓の満佐子さん、満彩美さん、満彩代さん
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続いて、しっとりと閑静な雰囲気が漂う祇園東。氏神さま、観亀(かんき)稲荷神社の前を通り、会場を目指し歩いていくと、ちょうど芸妓のつね桃さんをお見かけしました。この時間帯、空は少し曇っていたのですが、褄を取られたお引きずりからのぞく肌襦袢のピンク色を見たとたん、ぱあっとまわりが明るくなったようで、足取りは軽やかに…。 こちらの始業式は、同街にあるお茶屋組合事務所の2階、ふだんは、お稽古場として使われているフロアで行われます。開会前には、叶果さん、叶祐美さん、叶笑さんら舞妓さんがお屠蘇を飲まれ、お座敷のスペースでお師匠さんやおねえさん(芸妓さん)、来賓客を待ちます。到着されると、各自ご挨拶を交わし合い、いよいよ式がスタート。 祗園甲部と同じく、成績優秀者の表彰式もあります。が、ここでは「君が代」の斉唱、舞妓さんによる「姫三社」の舞の披露などが行われ、内容は花街それぞれに違うといいます。 そして、同日7日の宮川町では、来賓客の中に政治家の前原誠司さんの姿も!式の会場「東山女子学園」のある宮川筋は一本通りになっているため、左を向くと、舞妓のとし愛さん、とし真菜さんが、右を向けば、ふく苗さん、ふく兆さんのお姿が…というように、式の開始前は、芸舞妓さんたちが続々とお目見えされて、通りは豪華絢爛、屋外レッドカーペットと化していました。 始業式のさいごを飾るのは、9日の上七軒。まさに京都の冬といえる底冷えするような午後。しかし、陽は燦々と降り注ぎ、上七軒歌舞練場前に飾られた大きな日本国旗が風にたなびく姿もまた、この花街の新たな一年の始まりと発展をお祝いしているかのようです。こちらの街では、それぞれにご挨拶を交わしたあと、芸舞妓さん全員で、素囃子と舞初めが行われました。
さて、新年のご挨拶、始業式ときて、次なる行事は11日、京都ゑびす神社の「残り福」です。午後2~4時は祇園町、午後8~10時は宮川町の舞妓さんがそれぞれ、福笹と福餅の授与を行われました。前日は東映の女優さんによる福笹授与もあり、連日、神社のある通りには露店が並び、街じゅうに夏祭りのような活気が。 そして13日の「初寄り」。初寄りとは、新たな年が明けた初稽古の時に、芸舞妓さんがお師匠さんのもとを訪れてご挨拶することをいいます。祗園甲部では、井上八千代師匠のお宅に集まり、「これからまた一年、お稽古に励みましょう!」と新たな気持ちを誓い、共に祝われるのだそうです。 こうして瞬く間に過ぎていった舞妓さんたちの半月。恒例行事の合間にも、日々、お座敷に出られて、お稽古もなさっている。言うまでもなく、体、心共にタフでなくては全うできないお仕事だと、1月の舞妓さんを追いかけてみて改めて思いました。今年も、おきばりやす!
京都ゑびす神社にて、宮川町舞妓のふく里さん
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1月の簪(かんざし)
1月の舞妓さんは、松竹梅、糸車、寒菊などをあしらった花簪を付けられます。花街、その年によってもデザインはさまざま。今年は特に、赤、ピンク、白…大小さまざま、鶴の付いた上七軒の舞妓さんのかんざしが印象的でした。 この他にもうひとつ、お正月から15日まで、松の内のあいだは、小さな白い“鳩”の付いた本物の“稲穂”のかんざしを挿されます。稲穂といえば、五穀豊穣祈願のシンボル。歩くたびに揺れる様は、福を招き寄せるかのよう。舞妓さんは髷の右、芸妓さんは左に飾られます。 白紙の「まねき看板」のミニチュアが付いた12月のかんざし、覚えていますか?ごひいきの歌舞伎役者さんに墨で名入れしてもらうというアレです。白鳩の「眼」もこれと似ていて、芸舞妓さんがそれぞれ好きな方に描き入れてもらうのが習わしなのだそう。 諸説はありますが、こうすることで「願いが叶う」といわれています。元々は、旦那衆にじかに描いてもらうことで「芽が出る」、つまり「出世する」に掛けた意味合いがあることから、“眼入れ”がはじまったと聞きました。また、芸舞妓さんの稲穂のかんざしから稲を三粒もらい、紙に包んでお財布に入れておくとその年の金運が上がる…といわれるなど、新春にふさわしく縁起を担いだ趣向に、いかにも京都らしさを感じます。 Photos:Copyright(c)2012 Maiko Club All Rights Reserved Special Thanks to: WALKKYOTO(一部画像提供)http://walkkyoto.exblog.jp/i30/
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