頑張る!新米舞妓ちゃん

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甘えは許されない世界がスタートしたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「割れしのぶ」と呼ばれる髪の結い方に、赤い半襟、お化粧では、下紅だけを入れた姿が、「お店だし」してから一年未満の舞妓さんの姿です。いよいよお座敷で、プロとしてのお仕事がはじまるのです。もう、言われたことだけをやっているのではいけません。甘えは許されない世界がスタートしたのです。

 

まずは、置屋さんからお座敷に向かうとき、同じお部屋のお姉さん方と一緒であれば、一番後ろを歩き、お茶屋さんの暖簾をくぐる時や、戸をあける時には、一番に先回りして皆が通りやすいように気づかわないといけません。お座敷では、お姉さん方が用事で立たれる前に自分が先に動けるように…

 

もちろん、お茶屋さんの女将さん、仲居さん、お座敷でお三味線などでお世話になる地方さんへのご挨拶もしっかりとすませます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になるお茶屋さん、一緒にお座敷にあがらせてもらうお姉さん方に神経を張りめぐらし、お客様が何を必要とされているのか全神経を張りめぐらし…毎日が緊張の連続です。

 

何部屋も同じようなお部屋が続いている、お知り合いの大きなお茶屋の女将さんに聞いた話では、おかわりのお銚子をお勝手場にとりに行き、戻る先のお部屋を間違えてしまい… 

 

お客様は、突然の違う舞妓ちゃんの来訪に驚くわ…舞妓ちゃんの方は、緊張しているので、すました顔でその状況に気づかず座っている姿に…その様子を見守っていた女将さんやお姉さん方が笑いふきだされるまで気づかなかった! という、ガチガチ舞妓ちゃんもたまに出没するようです。

 

舞妓ちゃんにしてみれば、お座敷だけが大変なわけではないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お座敷にでる支度から試練の連続です。おしろいというのは水化粧で、一度色をのせてしまうと、失敗したな、と思っても、クレンジングで修正というわけにはいきません。お化粧がうまくいかない…と焦っても、時間が来ればお座敷に出かけないといけません。慣れるまでは、紅のひき方も、眉のひき方も、安定せずにまちまちで、自分でも、周りの人も驚くほど(笑)、毎日顔が違うんだそうです。

 

そのような日々、怒られたり、なだめられたりと、失敗を繰り返しながらも、両紅をさしてもよいとお許しのでる一年が経つ頃には、お店だしをする舞妓ちゃんも下にちらほら出だすのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

置屋さんに入ると、お休みをいただけるのは、月に2日間だけになります。

後の28、29日間は、朝起きてから、夜寝るまで、全て自由な時間など無い毎日が続きます。しかし、あなたが学生ならば、学校から帰宅すると自由な時間が待っているのです。好きな時間に音楽を聞き、好きな時におやつを食べ、友達と遊ぶ。そんな楽しい時間を全て捨ててまで、修行を経て舞妓さんになりたいですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下の舞妓ちゃんができると、もう立派なお姉さんです。

「○○さん姉さん※」と呼ばれる立場に、うれし恥ずかし…
でも、しっかりとしないと!と、より一層気持ちが引き締まる思いだそうです。

 

舞妓として少しずつ慣れていくにつれ、赤い半襟に徐々に白い部分が多くなっていき、2年が過ぎる頃には、そろそろ白い半襟に…
髪の結い方は「おふく」と呼ばれる、お姉さんの髷に変わっていくのです。

 

しかし、一番の変化は、身なりも心も年中舞妓さんへとなっていく舞妓ちゃん自身の自覚なのでしょう。

 

※花街独特の呼び方で、○○姉さんではなく、 ○○さん姉さんと呼ぶのです。とっても趣のある呼び方です。



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