月刊・京の舞妓さん 11月号【4】

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ほんまもんの着付け ~だらりの帯は、『締めるんも、締められる方も、体力要ります!』~  

台衿を手に…

ひとつウン十万円の台衿を手に…。こちらがおかみの毛利さん(右)

 

さて、次はお着物。肌襦袢、足袋など、着付けに必要な小物類も全て揃えてあるので持参する必要はナシ!ただ、変身した後に普段のお化粧に戻したい…という方は、どうぞメイク道具をお忘れのないように…。

 

舞妓さんの場合、芸妓さんとちがって衿の胸元は抜かない。こちらは、赤衿を整えたあと、“詰めて着る”のが粋だとされる『台衿を施すの図』である。一針、一針、職人たちによる丹念な手刺繍によって作り上げられたこの台衿だけでも、手に持つと、両の手首がひん曲がりそうになるほどずしりと重かった。

七五三や花嫁さんも付けるという“緋しごき”を纏ったあとは、だらりの帯だ。先ほどもお伝えしたとおり、私も舞妓変身を体験したことがあるが、その時はどうやら冒頭で毛利さんのいわれた“作り付け”の帯だったらしい。「いよいよあの帯を締める時が来た!」と意気込んでいたのに、そういえば、背中にちょこんと何かが引っ掛けられただけだった。

かつら、着物、帯のあまりの重さに圧倒されてその時は余裕がなかったが、思い返すと、あっけなく終わった感じではあった。変身処といっても本当にさまざまで、これだけ細やかな工程を踏むゆえ、かなり簡易化されたやり方のお店もあるのだとか…。

 

観光で京都を訪れる際、おそらく自由時間は限定されているだろう。時間か、完成度のクオリティか、それともお値段か…。人ぞれぞれ、舞妓変身に求めるものが何かで変わってくると思うが、同じ変身するなら本物により近い形で体験したいというのが願うところでは?手早くパパパッと変身できるのは効率的かもしれないが、“いいモノ”にはそれなりに手間がかかるのはいつの時代も同じだし、だからこそ“いい”のだと私は思う。

 

着付け

畳に広がる帯も、これまた素敵である

 

『大みの』ではご覧のとおり、おかみの毛利さんが直々、帯を締めてくださる。途中、背中側で結んだ帯を結ぶ時、本田さんが前かがみになり、毛利さんがアシスタントの方と女性二人がかりでぐいっと力む“ガテン系”的な場面もあり、本当のだらりの帯を締めたことのない私は、その姿をみて、かなりの力を要するものだと、この時はじめて知った。

しかし、時間にするとおそらく5分足らず、七メートル以上の帯は瞬く間に、完成!ちなみに、本物の舞妓さんに関していうと、よその花街では男衆さんが行われるところもあるそうだが、ここ、上七軒では、女の先生が屋形まで行き、舞妓さんたちの着付けを行われるのだそうだ。

舞妓さんになるという“超非日常な体験”を記念に撮らないでどうする!?
ということで、変身したあとは、もちろん撮影会である。『大みの』では、変身したら「ハイ、終わり」ではなく、その後のケアも実に素晴らしい。さすがは元お茶屋さん、舞妓さんに変身した女性にぴったりのロケーションはすでに完備されている。それだけではない。手鞠や舞扇などの小道具まで…、雑誌の特集ページの撮影かと思うほど、次から次へと隠しアイテムが目の前に出されてくるのだ。

 

着付け完了

ここから先は“本田さんの写真館”になることを先にお断りしておかなくてはならない。毛利さんの手によって、100倍以上可愛らしくなった本田さんをご覧いただきたいと思う。

こちらは、上七軒の芸舞妓さんたちの団扇が飾られた奥の座敷での一枚。

通常、撮られることに慣れていない人が写真を撮られる時というのは、真正面を向き、ぎこちない笑顔で、どうしたってもう、力んでしまいがちだが、これが“毛利さんマジック”なのか…。

撮影現場のディレクターのごとく、きびきびとした潔さの中にあるしなやかさ。独特のこなしでその場全体を和ませてくださったせいか、本田さんは終始リラックスしたムードでカメラに向かって優しく微笑みかけてくださった。


毛利さんによると、
重心を置いた体の向きとは逆側に顔を傾けたり、力を抜くことでほわっと柔らかい、舞妓さんらしい雰囲気が出せるのだそうだ。

 

お引きずりの姿

掛け軸の前で、お引きずりの姿のままポーズ。本物の舞妓さんはお座敷に上がる際、このように裾を引きずる姿で、お仕事されている

 

『大美乃』の暖簾の前で

『大美乃』の暖簾の前で、左褄を取りながら…

撮影中、「ちょっと首をこっちに向けてみましょか?」と毛利さんの優しいひと声で、本田さんの表情はますます舞妓さんらしくなっていった。「わあ、舞妓さんの●●さんにちょっと似てはるわ!」と毛利さんも大絶賛されていた。たしかに…、本物の舞妓さんといわれても少しも不思議でないほどしっくりきている。

写真はオプションで、台紙付き六つ切りサイズ、フォトアルバム、CD-ROMなどに加工してもらえる。ひとつだけ…、徒歩5分とないところに本物の芸舞妓さんたちがいらっしゃるので、変身した姿で上七軒の街を歩き回ることは残念ながらできない…ということだけはどうかご注意を…。町家の連ねる『大みの』のある通りでは、手持ちのカメラやiPhoneなどでも自由に撮影することができる。

それではさいごに…美しすぎる本田さんの後ろ姿をご覧いただきたいと思う。ほら、この通り!

 

だらりの帯に“おこぼ”

だらりの帯に“おこぼ”。履き物も本物!

 

 



Photos:Copyright(c)2012 Maiko Club All Rights Reserved




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